変わりゆく時代の中でも 変わらないでよ



私は都合がいい。都合よくアイドルを応援し、しんどくなったらさっさと離れたくなる、そういう質だ。自分の幸せのためにアイドルを追いかけていたいし、アイドルの幸せに重きを置きすぎて自分をすり減らすことはしたくない。出来ることなら傷付きたくない。幸せになれないと思ったらさっさとそこから去ってきた。

 

 

エイトを追いかけるのが嫌になった時も、田口くんがグループを脱退した時もブログを書いた。しんどかったことは書き残すようにしていた。そして最近になって、ブログごと消した。

ブログにはもちろん楽しい思い出も綴っていて、私がジャニーズJr.の髙橋颯くんを好きだった頃コンサートで見た彼の一挙手一投足について細かに綴ったものもあった。その記事も今は当然ない。颯くんの露出が減ったのを境にJr.自体への興味が薄れ、もう颯くんを追うこともないような気がして、何も考えずに消してしまった。ちょうどそういうタイミングで、颯くんは事務所を辞めた。

 

 

 

またわざわざブログを開設し、記事を書いている。ばかみたいにしんどさを綴ろうとしている。私はもう颯くんを追いかけていなかった。もっと言えば、追いかけようとしたその姿を途中から見失った。いないから、探そうともしなかった。自分の気持ちはその程度にまで落ちていたのに、彼が事務所を去ることを知った時、どうしようもなくしんどかった。かつて都合よく応援し、都合よく離れただけのファンでも、彼がいなくなることはつらかった。

 

 

どこかで、颯くんは事務所に残る人間だと安心しきっていたのだと思う。シンメが辞め、仲が良かったJr.が辞め、ユニットから漏れ、テレビに出なくなった。そんないつ辞めてもおかしくない状況下で、彼は変わらなかった。セクバの第一線で活躍していた時と何一つ変わらない笑顔で全力で踊っている、とても強い人だった。

私は彼の人柄に強く惹かれていた部分があって、それは長年あのJr.界で揉まれてきても全く擦れない、痛いくらいに真っ直ぐなところだ。常に正しくあろうとする姿が好きだった。その根っこの部分が全く変わっていないのを目にして、この人はきっとどんな状況に立たされても、変わることなくそこに居てくれるのだと思い込んでしまった。

 

 

 

それでも、最終的に颯くんは事務所を辞める決断をした。

しんどい、ただしんどかった。辞めないで、なんて言えなかった。居なくなってほしくなんかないのに、退所という選択には異論の一つも出てこない。諦めとか、そういう物ではない気がする。彼は正しい人だから、正しい選択をしたかったのだと思う。悲しいけれど、私もその選択はとても正しいと思った。

 

 

 

私は都合がいいファンだった。都合よく応援し、しんどくなったらさっさと離れてしまうようなファンだった。颯くんを見て幸せになれたから追いかけたし、颯くんのいない少クラを観るのがつらいから離れた。それだけが私のファンとしての期間だった。

ただ自分は今、このアイドルの幸せを、アイドルだった彼の幸せを、思っている。出来ることならこの世界で幸せになってほしかったし、彼の幸せはここにあるはずだった。でも彼の選ぶ道なら、きっと何だって正しい。そう思えるくらい、私はこの若い男の子が持っている強さと正しさを信じている。


幸せになってほしい。

彼のファンは口を揃えて言う。こんなに一心に幸せを願われながら去っていくJr.を、私は他に知らない。





たくさんのものを与えてくれた髙橋颯くんへ

君はこれからもっと、幸せになるべきひとだよ。